育児の悩み

【TED】我が子を成功させる、やりすぎない子育て|チェックリスト育児、していませんか?

TEDで印象に残ったプレゼンテーションがありました。日本語の字幕もつけられるので是非一度視聴してみてくださいね。

タイトルは「我が子を成功させる、やりすぎない子育て」(How to Raise Successful Kids – Without Over-parenting)。Over-parentingのover は「やりすぎ」「過剰な」という意味です。

どういう育て方をすれば子は「成功」するのか?近年よく見られる「過剰な子育て」に、元スタンフォード大学学生部長のジュリー・リスコット=ヘイムス氏が切り込みます。

[sanko target=”_blank” href=”https://www.ted.com/talks/julie_lythcott_haims_how_to_raise_successful_kids_without_over_parenting?utm_campaign=tedspread–b&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare” title=”我が子を成功させる、やりすぎない子育て” site=”TED Ideas Worth Spreading”]

子育ての「チェックリスト」とは?

みなさん思い当たると思います。私も気付いたら心の中でチェック項目を作っていたし、このプレゼンを見てハッとさせられました。

例えば、乳幼児のお子さんがいる場合

☑ 適度の外あそび、適度な室内あそび
☑ 発達にふさわしいおもちゃで遊ぶ
☑ お友達と正しくあそぶ
☑ 月例にあった発達(遅れてはならない)

小中高校生のお子さんがいるならこんなチェック項目かもしれませんね。

☑ 宿題全部する
☑ テストで100点を取る
☑ スポーツクラブに入って活躍する
☑ 大学の推薦でアピールできるような課外活動に参加する

そして最終的には

☑ いい大学に入る
☑ いい会社に就職する

無意識にこんな典型的子育てチェックリストを作っている人は多いと思います。

✔の数が子供の価値?

もしあなたが一つでも多く✔を増やすために子供に付きっきりで世話を焼いたり、口や手を出したり、おだてたり、手を引いたりしているなら要注意です。

いや、だって子供に幸せになってほしいじゃない!可能性を広げてあげたいだけ!失敗しないように手伝ってるだけ!将来を台無しにしないようにしてあげたいだけ!お母さんお父さんのそんな声が聞こえてきます。

だけど違うんです。「チェックリスト育児」をしているあなたは、子供にこんなメッセージを送っているんです。

「私がいなけりゃ、あなた何一つ達成できないでしょ」

子供の価値とは

リスコット=ヘイムス氏は学生部長時代、多くの無気力な学生を見てきたそうです。チェックリストで育てられてきた子供たちは傷つきやすく、大学に入るころには燃え尽きたように弱っている。そして自分の人生に価値はあるのだろうか?と問う子供もいるそうです。

もちろん、親である私達からすれば当然わが子には「価値」がありますし、わが子だということ自体が価値ですよね。しかし、それは子供自身に伝わっているのでしょうか?

もし、子供時代ずっと親のチェックリストに従って育てられてきたなら、当然自分の価値は✔の数だと考えてしまいます。自然なことですよね。親はそんなつもりはなくても、そう受け止められても仕方がありません。

つまり、自分の価値とはいい成績。自分の価値とは賞の数。自分の価値とは有名大学に入学したこと。自分の価値とは大手企業に就職したこと…そんな子供が自信を持って生きていくことが出来るのでしょうか?

子供の自己効力感を奪う親

「自己効力感」という言葉をご存知ですか?英語では self efficacy と言います。簡単に言うと、ある目標に対して「自分にはその目標を達成する能力がある」と認知することです。

自己効力は、他人(親)がしてくれた行動ではなく、自分で行動し目標が達成したときに育まれます。そしてその行動も、他人(親)が計画したり軌道修正したものではありません。あくまで「自分で」やると決め、何をするか考え、実行することを決断し、結果を対処するという経験をすることで生まれるのです。

親が子供の手助けをしたいと想うことは当然のことです。しかし、子供の代わりに宿題をやってあげたり、なんのクラブに入るか親が決めたり、いい成績がとれるよう手取り足取り指導するのは短期的な成果しか生みません。

目先の成功は増えますが、子供の自己効力感を育てるチャンスを奪っているのです。

リスコット=ヘイムス氏はプレゼンでこう言っています。

  親が助ければ子ども時代に残せる実績は増えるでしょう。ただし、そのすべては長期的な代償を伴い子どもの自意識が犠牲になるのです。親は我が子が受験したり入学したりするかもしれない特定の大学のことなど心配していないで、どこへ行っても成功できるような習慣や考え方や技能や健康を我が子が備えているかをもっと心配すべきなのです。

そしてこうも言っています。

私が言っているのは、子どものために親は成績や点数への執着を弱め 、成功の土台を作れるような 、子ども時代にもっともっと興味を向ける必要があるということです。その元となるのは愛情や家事です。

なぜ「家事」なのか

子供時代に受けた「愛情」がその後の人生に大きく影響することはよく知られています。しかし、なぜ家事も大切なのでしょう?

家事には終わりがありません。やればやる程、さらに出来ることがあります。想像力も必要です。決められた一つのことをこなすだけでは、家事は終わりません。あまり楽しいとは言えない作業もあります。そして自分だけのためではなく、家族・家庭全体のためにするものです。

まさに、社会に出たら必要な能力ですよね?社会にでたら誰もやる事リストなんて作ってくれません。

「全体のために何か力になれることはないか」「大変だけど、やってみる」「こんなやり方の方が効率いいんじゃないかな」。自分で決断して実行する能力と勇気がなくては何もできません。その自己効力感を育む第一歩が家事の習慣化なのです。

わが子を成功させるには

リスコット=ヘイムス氏の言葉を借りると「子供は盆栽ではなく、野生に咲く花」です。見栄えよく、親がチマチマ調整して完璧な形に作り上げるものではありません。親の役目は栄養たっぷりの環境を与え花をたくましくし、家事をさせることによって生きる力を与え、たくさんの愛情を注ぎ自分と他者を愛することができるように育てることです。

そのためにチェックリストなんて必要ありません。どんな学校に入ろうと、どんな会社で仕事しようとそれは子供自身が決めることです。

リスコット=ヘイムス氏はこのように締めくくっています

私の役目は、自分が仕向けたとおりの子どもを育てることではなく、子どもが自ら輝いていくのを サポートすることです。

おわりに

今回のTEDプレゼンテーションは心に響くものがありました。ついつい、子供にはあれもできるようになってほしい、これもさせたい、少しでも前に、少しでも上手に…そんな風に思ってしまいます。

短期的には子供のためになっているように見えるかもしれません。しかし、長期的に子供を輝かせるのは、たっぷりの愛情と家事を通した自己効力感なんですね。

目先の華やかな子育て方法に囚われず、強くたくましくわが子を育てていきたいですね。

 

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